文化庁「ARTS for the future!2」支援事業空間創造
Oto 主催 CamerataProject(カメラータ・プロジェクト)
モノオペラ《いちとしいけるもの》
-日本語上演・世界初演-

日時|2022年 12月 10日(土)マチネ=15:00開演 ソワレ=18:00 開演
会場|千葉県文化会館 小ホール(〒260-8661 千葉県千葉市中央区市場町11−2)
アクセス|JR本千葉駅より徒歩約10分
チケット| 全席自由 ¥3000-
後援|公益財団法人千葉県文化振興財団

作曲:永井秀和
台本/演出:角直之
キャスト:髙品綾野(マチネ)/嘉目真木子(ソワレ)
コントラバス:小幡明日香(マチネ)/本山耀佑(ソワレ)
美術:星野善晴 / 舞台監督:三宅周(アートクリエイション) / 照明:青山航大(Dort)
  ヘアメイク:徳田智美 / 宣材油画:マスコマユ / 広報物デザイン:栗原侑莉
収録:大塚暁人(VioleRecord) / 制作:福島達朗・田村真歩

【お問い合わせ】
空間創造Oto CamerataProject事務局
Mail: camerataproject@gmail.com
HP: https://camerataproject.wixsite.com/mono-opera 
モノオペラ《いちとしいけるもの》に寄せて

 角直之と永井秀和のオペラで美術を担当するのは『小劇場オペラ《出雲阿国》』(2017〜/全国で7回上演)および『オペラ《箱》』(2021)に続き3作目となる。前作を振り返りながらこの文章を書くうち、私が今作でやろうとしていたことが、私自身ようやくわかってきた。

1.《出雲阿国》と《箱》
 建築史・建築論を手がかりに空間を構想してきた私は、《出雲阿国》では「歴史という書物の中にバラバラに配置された『出雲阿国』の断片をつなぎあわせひとつの像に仕上げようとする、音楽と文学の働きに気がついた。その働きは(中略)神社建築の最古の姿、もとい信仰の場所が建築化されるさらに前の姿」に通じているとし、神籬・磐境を引用した。《箱》では、私たちの現代的な「住まい」の姿を決定付けたと考えられるロンドン万博(1851年)のクリスタルパレスを引用した。「理想的な『場所』は、構造(中略)とテクスチャ(中略)で構成されるかもしれない。」両者に共通するのは、着目したモチーフのもっとも素朴な状態をいかに未来に向けて構想するかということだ。

2.《いちとしいけるもの》
 さて、今作のモチーフは私たち自身。すなわち「身体」のもっとも素朴な状態を未来に向けて構想しようとしている。できたばかりの台本・楽譜のみを手がかりに製作に取り掛かるのは前作までと同様だが、今作で直ちに想起したのはバレエ・リュスの『ペトリューシュカ』。V. ニジンスキーが「ペトリューシュカ」を演じ、のちに『春の祭典』の振り付けを担当したことへの憧れ・オマージュが原動力の一つとなった。同時にマン・レイほか美術家たちの身体への眼差しへの反抗をも試みた。建築を信じ、その途方もない圧倒的な力への畏れと敬意を抱きつつ、しかし今は私たち自身が自ら輝くことのできる未来を夢見たい。

3.「身体」および「いちとしいけるもの」について
 私たち自身が輝くための空間表現への門が開かれた。ということで、今作にはダンスの力が必要であると確信し、中村瑞乃さんに協力いただいた。「建築がつくるような『囲う』空間に対し、彫刻がつくるような『放つ』空間とりわけ、あらゆる空間の『中心』たる身体をもとに、もっとも根源的に純粋に空間を構想し実現していると考えられる、ダンサーたちの空間世界」を頼りにした。デッサンドールをもとに、私たちに与えられた身体を凍結し同時に解体、再び結集させることで実現する「いちとしいけるもの」。それは私たちの愛する音楽のことであり、輝くべき私たち自身のことなのかもしれない。

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